PALM BEACH RESEARCH GROUP

私が配当を重視する理由(あなたも重視すべき!)

(真の投資家は)株式市場のことを忘れ、配当利回りと企業の業績に注意を払えば、もっとうまくいくだろう。- ベンジャミン・グレアム
皆、「不労所得」について話すのが好きだが、私はそれを完全に手に入れている。

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誰もが、何もしなくてもお金が欲しい…言うなれば、実質的な副業を欲しがっている。

それは夢だ。多くの人が自分の老後は不労所得で成り立つと考えている(が、その考えは間違っている)。

仕事から得られる収入とは対照的に、不労所得は言わば、空から降ってくるようなものだ。

これには、ロイヤリティ収入、再放送料、債券の支払い、家賃収入、販売手数料などがあるだろう。

基本的には、過去の仕事や投資によって継続的に湧いてくるお金のことをいう。

「配当」も株式投資で得られる不労所得だ。

そして、配当は他の多くの不労所得より、間違いなく上位に位置する。

 

基本的に、コカ・コーラやアップルやホーメルなどの企業は、その株を買うだけで、四半期ごとに、つまり年に4回(か、それ以上に)お金を払ってくれる。

配当収入は、得るために何かをする必要はないので、

おそらく最も労さずに受け取れる受動的収入である。

また、最も収益性が高い可能性もある。

それも、自分が何をやっているのか分かっていればの話だが。

 

配当収入がなぜ、株式市場で富を築く重要な要素になるか、掘り下げてお話ししよう。

昨今、ミーム株や超成長ハイテク企業、理由もなく一攫千金を狙う企業が市場を席巻しているが、有配当企業は変わらずに立ち位置を占めている。

今回は、配当が投資戦略上重要である理由をいくつか紹介する。

そして、配当のある銘柄を素早く見極めて購入する方法についても、簡単な例でお伝えする。また、これから配当投資をされる方のために、私のお気に入りの銘柄も伝えよう。

でもその前に、あなたも考えているかもしれない疑問を解決しよう。

 

なぜ、多国籍大企業が私にお金を払う?

実に良い質問だ。

あなたの人生の究極の目標が、バケツ一杯のクール・ホイップを素手で食べることだとしよう。まったく、なんて品のない夢をお持ちのことだろう。

(注:クール・ホイップとは、クリーム・牛乳などを使わずにホイップしたクリームに似せた食材。)

上記の質問の答えは、以下の問いに対する答えの中にある。

人が何故ビジネスを始めるのかと言うと、お金を稼ぐために決まっている。

 

たとえば、あなたがビジネスを始めて、クール・ホイップを口に高速で噴射できるバズーカ砲を作るとしよう。

製品の製造・出荷経費を支払った後、何十ドルものお金を儲けた。次はこのお金をどうするか考える必要がある。

 

そのお金を会社の成長(工場の増設、ホイップクリームの粘度の研究、マーケティングの強化など)に再投資することもできるし、

自分自身に給料を払い、年末に納税証明書を発行することもできる。しかし、その場合、給与の支払い側と個人側の両方を管理しなければならない。事業収入は税金が控除されるとはいえ、面倒なことだ。

あるいは、あなたの作った変な会社がもたらした現金を配当として自分に分配することもできる。

これならとっても簡単、あなたはクリーム中毒でお金を稼げるのだ。

(執筆中、この不謹慎なクール・ホイップのジョークをもっと長引かせようと思ってこの商品の製造者を調べたら、クラフトハインツ社で、しっかり配当を払っていることがわかった。つまり、もしあなたがクール・ホイップを体内に注入するたびに使っているお金を取り戻したければ、クラフトハインツの株を買えばいいということだ。)

 

少し手順を飛ばしているが、要はそういうことだ。

安定した大きなキャッシュフローを持つ企業を所有する経営者や大株主は、事業成長に資金を投入してもあまり旨味がないため、そのキャッシュフローの一部を自分たちに分配することを決断することが多い。

もし、これらの企業の株主になった場合、あなたもそのキャッシュフローの一部を得ることができる。

そして、市場で儲けている人たちの話を聞いて、自分も参加したいと思った方にお知らせがある。

 

配当は安全な資産形成の鍵

多くの人は、株の利益は安く買って高く売ることで得られると思っている。

しかし、現実には、 それはパズルの1ピースに過ぎない。

株の売買をする際にピッタリなものがある。S&P500に連動するパッシブ・インデックスファンドだ。これに投資するのは重要だと皆口を揃えて言っている。(投資信託の手数料を払わずにこれに投資したい場合のティッカーはSPYだ。)

 

でも、インフレ調整済みだとどうだろう?

1950年から2021年の間に、配当を考慮せずに「安く買って高く売る」だけでは、年率4.5%程度しか稼げなかった。1ドルは71年間で24ドルに増えたぐらいでイマイチだ。

 

では、配当金を計算に入れるとどうなるだろう?

配当を含めると、年率8%のリターンを得られ、1ドルは253ドルに成長したことだろう。

どうしてこれほど大きな違いが出るのだろうか?

S&P500のリターンとそのリターンを実際に生み出したものを見てみると、その利益の大部分は配当と配当成長から来ると分かる。

S&P500の成長に、実際の価値の変化が寄与する部分はごくわずかなのだ。

 

 

そして、その理由は、市場リターンを10年ごとに分解してみるとよくわかる。

 

 

低成長、無成長、マイナス成長の数十年間、配当は依然として大きなリターンをもたらしていた。

ギネス・アトキンソン・ファンズのレポート「Why Dividends Matter(配当が重要な理由)」では、ファンドマネジャーのイアン・モーティマー博士とマシュー・ペイジが、投資家にとって配当が重要である理由をさらに詳しく説明している。

  • 市場を上回るパフォーマンス – 1972年から2010年の間、配当成長企業の平均リターンは9.6%で、S&P 500の7.3%に比べ、高い収益率だった。無配当企業は1.7%のリターンで、市場を下回った。

 

  • 弱気相場でも成長 – 経済の低成長期には、配当が総リターンの75%を占めてきた。
  • 低ボラティリティ – 景気後退期には、S&P500の一株当たり利益は42%も低下することがあるが、一株当たりの配当は平均8%しか下がらない。これは、不況時の投資家の「クッション」になる。
  • インフレ・ヘッジ – 配当収入は通常、インフレ率と同じかそれよりも速く成長する。

 

そして、有配当銘柄がこれほど成長に貢献するのは、複利の魔法による。

この現象が株式にどう作用するか簡単に説明するために例を用いてみる。

Squibbly-Blorkという会社があったとして、株価が100ドルであるとしよう。

1株あたり1.25ドルの配当金を4回支払い、1年で合計5ドルの配当になる。これで、同社の配当利回りは(5/100=)5%となる。

そして、証券会社の口座で配当の再投資を選択するとしよう(ボタンを押せば、受け取った配当で証券会社が自動的にSquibbly-Blorkの株を購入してくれるようになる)。

 

2年目開始時点で、あなたのSquibbly-Blorkの保有株は1株以上になっている。

再投資された配当により0.05株分が増えて、1.05株を所有しているのだ。

そして、その一株に満たない部分にも配当は支払われる。

 

では、次に配当が弱気市場でより高いリターンを得るのに役立つ理由についても説明しよう。

市場が暴落して、この株の価値が100ドルから50ドルにまで下がったとしよう。

でも、この企業の事業は影響を受けていない。収益も利益もすべて同じで、変わったのは株価だけだ。

そこで取締役会は、より多くの投資家を惹きつけて株価を上げるために、年間5ドルだった配当を6ドルに引き上げることを決定した。

でも、あなたが受け取ることになるのは6ドルではない。今所有している1.05株の6倍、つまり6.30ドルを受け取ることになる。

6.30ドルを再投資すると、今年は0.05株よりもずっと多くの株を買うことができる。株価が下がったので(6.30ドル/50ドル=)0.126株を手に入れることができる。(この「CBA」という概念については、こちらで詳しく解説している。)

 

その後、市場が回復し、Squibbly-Blorkの株価は1株あたり100ドルにまで跳ね上がる。

しかし、あなたは100ドルしか使っていないのに、1.176株も持っている。

つまり、買った時と比べて株価は0%しか変わっていないのに、17.6%のトータルリターンを得たことになるのだ。 

そして、ここから話はどんどんすごいことになっていく。

同社が3年目も6ドルの配当を維持すると決めたとしよう。つまり、配当利回りは(6/100=)6%だ。

まあ、この株を買ったばかりの人の配当利回りはこんなものだろう。

あなたの元本は100ドルだったが、

今は1.176株を保有している。つまり、今回あなたは(1.176*6=)7.05ドルを得ることができる。

これで元本に対する実効利回りが7%になったのだ。これは、このタイミングで買おうと思った一般人の利回りより16.6%も高くなる。

あなたも、配当があなたの株式リターンをいかに一気に押し上げるかに気づき始められたのではなかろうか。

それも配当のメリットのほんの一部に過ぎないのだが。

 

配当を貯めておき、ポートフォリオの中で最も割安な資産を購入する(これで複利計算を加速させることができる)ことを中心とした戦略全体がある。

ファンドや有配当企業から配当を集め、そのお金で超成長ハイテク株を効率よく無料で購入できるのだ。

しばらく配当を集めて株を買うベースを作り、元の投資を売って別のものを買えば、1つではなく2つの複利資産を所有することができる…というわけだ。

十分な株を保有し、安全に配当が得られるのであれば、老後の資金を1銘柄で賄うことすら可能だ。

でも、そのおいしい配当金を手に入れたいが、何から手をつければいいのかさえ分からないと仰るなら、 お伝えしよう。

 

有配当企業の探し方

配当を支払い、安定的に成長している企業の簡単なリストが必要な場合は、配当王、配当貴族、配当アチーバーズを検索しよう。それぞれS&P500の中で連続増配している企業のことで、

  • 配当王は50年以上(40社)、
  • 配当貴族は25年以上(66社)、
  • 配当アチーバーズは10年以上(347社)連続で増配している。

これらのリストに掲載されている銘柄の中で、購入したいと思うものがあれば、

企業やティッカーシンボルを、GoogleやYahoo!ファイナンスで検索することができる。

そして配当利回り(図中:Div yield)に注目してみていただきたい。

グラフ 自動的に生成された説明

 

この数字は、3Mが過去12ヶ月間に支払った1株当たりの配当が5.93ドル、つまり100ドルの投資に対して約3.97ドルであることを示している。

(ほとんどのETFやファンドでは、この数値は表示されない。ファンドの運用会社を調べて、そのファンドの分配や利回りを検索する必要がある。)

 

さて、単純に最大の配当利回りの株式を購入するよう勧めているわけではない。

なぜなら、実際には企業の利益から見て、賄える以上の配当を支払う企業もあるからだ。

これを「配当性向」といい、利益の多くを配当に回す企業は、減配(またはそれ以上)のリスクを抱えることになる。

この数字は、GuruFocusなどのサイトを使えば、無料で調べることができる。例えば、3Mの配当性向はこちらで確認できる。

気に入った配当銘柄が決まったら、投資を始めるのはそれほど手間はかからない。

1ドルからでも始められる。

本当だ。

Robinhoodなどのアプリをダウンロードしたり、1株未満の株式の購入が可能な証券会社を利用して、

先ほどの3M(MMM)のような配当のある会社を1ドル分買うことができる。

 

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そして3Mは、配当が続く限り、四半期ごとにあなたに配当を支払うだろう。

3Mは100年以上途切れることなく株主への配当を続け、64年連続で年間配当を増額しているので、これもかなり安全な投資であることは間違いないだろう。

 

おめでとう!あなたは今、配当投資家になる方法を学んだ。

最もリラックスできる、楽しい投資である。

しかし、あなたはこのメルマガを読みながらこう思っているかもしれない。「複利?不労所得?それはお金持ちの人のためのものじゃないか。自分には関係のない話だ。」

さて、複利資産への投資でより豊かになる方法は、文字通り今日1ドルから始められると紹介した。

もし、あなたがお金持ちになりたいと思っているのなら、今すぐにでもそうするはずだ。

30分もかからないと思う。

 

あなたが投資をもっと簡単に始められるようにしたい。

そこで、ティッカー$DTDを1ドル分購入するのはいかがだろうか。

このグラフをご覧いただきたい。

 

グラフ, 折れ線グラフ 自動的に生成された説明

 

これは、ウィズダムツリー米国トータル・ディビデンド・ファンドといって、 米国に上場しているすべての配当銘柄を保有するファンドである。

本当に全銘柄である。

投資家への支払いは毎月行われる。毎月、配当金が支払われるのだ。

だから私はこのETFを「スーパー複利銘柄」と呼んでいる。

ファイナンス・ダディの一日10ドルチャレンジを始めてから、毎日10ドル分のDTDとTDIVを買っているのだが、

最初は配当収入が少なかったにもかかわらず、

毎月、私のポケットにどんどん大きな配当小切手が滑り込んでくる。

 

さて、この件に関してはもっと深く掘り下げることができるが、

投資は、ここで説明したこと以上に複雑なことをしなくても、あなたは大きな富を築くことができる。

また、一生懸命働かなくても、お金は勝手に増えていく。

 

実は、投資に関し私は、「アクションをなるべく少なく済ます」主義だ。

そうすれば、取引して損をする誘惑に駆られることも、売って利益を逃す誘惑に駆られることもない。リラックスしてクール・ホイップを口にかき込んでいられる。

もちろん、高い目標を持っていたり、リターンを加速させたいのであれば、そうすることもできる。

しかし、投資や富は、あなたが人生でやりたいことを自由にできるようにするものであって、取引端末にあなたを縛り付けるためのものではない。

では、とりあえずここまでにして、前述した調査報告書の中から、私の好きな言葉を一つ紹介しよう。

 

「利益は意見の問題、配当は事実の問題」

 

つまり、配当の支払いに関しては、創造的な会計処理はできないのだ。

ポケットの中の1ドルは、あくまでもあなたの現金で、その現金がより多くの富と自由を与えてくれる。

 

以上

 

著者